【臨床検査技師が教える、その薬の飲み方は効かないですよ】
病院で臨床検査技師として勤務をし、ヘルスケア事業を経営しています、lainです。
さて、今回のテーマは薬の飲み方です。
病院での患者さんとのお話しで面白いことがあったため、臨床事例としてこのブログで書いてみたいと思います。
臨床事例という小難しい言葉を選んでしまいましたが、もちろんこのブログは専門的なことをなるべく色々な人に知って頂き頭の片隅に置いてもらうことで、そういえばと「はっ!」と何かの折にでも気づいてもらえたらというものです。
簡単なお話しですので、いつも通り肩の力を抜いて一読して頂ければと思います。
薬の飲み方での患者さんのやりとりは次の通りでした。
患者さんは歳を重ねた淑女です。不整脈の治療のためにと抗凝固薬を飲んでいたのですが、それがある時を境になかなか効かなくなったためにドクターと何が原因かを話していたのですがそれの直接にあたるそれというものは見つかりませんでした。
患者さんにその検査値が変わった時期に、何か今までと変わったことをしたことはあるかと訊くとついにその原因がわかりました。
患者さんは口を開いて、
「そういえば、その時期から身体にいいというサプリメントとハーブティーを飲み始めた」と。
そうです、いま、流行っている健康食品、ハーブティーには様々な効果があります。
今回の原因となりましたのは、
「セイヨウオトギリソウ」
ハーブティーや健康補助食品の一般名は「セント・ジョーンズ・ワート」という名前で販売しています。
この効果は肝臓の代謝機能の促進をする効果があります。
これは薬も身体に入れば異物ですので解毒作用の促進によって薬の効果は減弱するということを意味します。
このことは、厚生労働省からも通達が出ているのですが、なかなか周知には至っていないのが実情です。
今回の薬のことでいってしまえば、抗凝固薬のカルシウム拮抗剤とグレープフルーツは相性が悪いため併用の注意ということになっています。
しかし、「セイヨウオトギソウ」の記載はないことがあるため注意が必要です。
また、これは抗凝固薬をはじめ強心剤のワーファリンや抗うつ剤やてんかん薬、HIVやC型肝炎の薬など様々な薬に影響を及ぼすことがわかっています。
持病や具合が悪く病院の薬を飲んでいるのに急に効かなくなったやなかなか薬が効かないなどがある場合こういう健康補助食品やハーブティーが原因なことがあります。
薬が効かないなと「あれ?」と思いましたら、これらの健康補助食品やハーブなどを止めてみたり医者や薬剤師に相談をすることをオススメします。
薬なんか効かないから飲んでも無駄ではなく、何故効かないかの何かしらの理由を考えてみるときの一助になれば幸いです。
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/safety-info/0091.html#13