【カメラ・雑談】 芸術ってけっこう難しい
はいはい、綺麗に撮れていますね。 で? 何が言いたいの?
こんな事を『僕』は何度言われたでしょうか……
写真を撮りはじめの頃はよく言われてたことです、今もそんな褒められるような写真を撮っているわけではありませんが人には必要としていただいてお金を頂けるのは嬉しいものです。
カメラをはじめてけっこう自信がついてきて自分の写真を見てけっこう納得してくると、雑誌やSNSなどを見ているとこれだった自分のほうがうまく撮れている気がするとか思うことがありませんか?(ちなみに『僕』はありましたw)
でも、そんな事を言っているうちはまだまだでその表現者としては、その馬鹿にした対象の人の足もとにも及ばないと思ったほうがいいと思います
その理由として芸術と呼ばれる写真や絵、演劇、漫画など表現するものに関しては個々の主観的な絶対評価が関わるもので、誰かと比較して語る相対的な評価でいうものでもないためです。
また、そんな事言ったってお金になったり、人の称賛を得たいというのは人のエゴでもありますが当たり前の感情でもあります。
これを満たすためにはやはり相対的な評価が出てきますがこれが全てでもないということを言っておきます。
自分がうまいと思う基準と相手がうまいと思う基準はもちろん異なりますし、その定義も異なります
また、その雑誌という媒体に載せるためにカメラマンが自分の感性の範囲の中で擦り合わせをした結果でありもしかしたらそれはそのカメラマンの表現とは異なる場合もあります
それゆえ、この写真は「コレ」を目的としてカメラマンがそれに合わせて表現したものですという作品を残してお金をもらうわけです、つまりプロです
ここで素人とプロの差がでます
「上手い」写真と「巧い」写真は異なるのです
たまにカメラマンさんとカメラを趣味にされている方々との飲み会などに参加させて頂くこともありますがそこでも写真に対する意識の差がでます
「この写真よく撮れてませんか?」
その写真を見るとたしかに露出設定、ピントは合っていて、綺麗に写真が撮れています
でも、だから何?なのです
最近の機材やシステムなどカメラの機能の向上はめまぐるしいものがあります。
その機材でお金を出して、オートで撮影してもそこそこ撮れてしまうのです
で、それは何を表現をしようとした写真なの? 何故、それを撮ろうと思ったの? 何故、この設定でどういう意図があってこれを撮ったの?と先輩のカメラマンさんが訊くと10人中8人か9人が答えられないのです
『僕』もはじめはそうでした
同じようなことをポートレートを撮影しているプロカメラマンさんに言われたことがあります
逆にそのカメラマンさんに写真について同じ質問をすると答えられるのです
例えば、このときのF値は開放気味にして右半身に立っていて奥の左の瞳にピントを合わせてここでこの物語を言いたいんだよねとか……
(言われないとわからないよ……、なんて思ったこともありますw)
でも、それぞれ表現者は意味があってそのシャッターを押しているのです
『僕』もそういう意識をしてシャッターを押している次第です